オフィス回帰で求められる新しい働き方とオフィスの在り方

新型コロナウイルス感染症の5類移行を境に、一部の企業ではテレワークを廃止し、社員にオフィス出社を要請する「オフィス回帰」が進んでいます。

ある調査会社のデータでは、「フル出社」の割合は「コロナ禍」が9.5％だったのに対して「コロナ後」が38.5％で、約4倍に増加しています。コロナ前（77.5％）と比べるとフル出社は約半数にとどまっていますが、多くの企業がオフィス回帰の流れにあることが明らかとなりました。

具体的なデータを見ると、2023年7月時点でのテレワーク実施率は15.5％であり、テレワークを行っていない比率が84.5％となっており、これは2020年5月の31.5％から大幅に減少しています。(図1参照)


図1：テレワークの実施率
(引用元：公益財団法人 日本生産性本部 第13回働く人の意識に関する調査より)

特に大企業（1,001名以上）では、テレワークの実施率が22.7％と2020年5月の50.0%から大幅に減少しており、小規模企業でも同様の傾向が見られます。(図2参照)



図2：従業員規模別・テレワークの実施率　
(引用元：公益財団法人 日本生産性本部 第13回働く人の意識に関する調査より)

このデータは、従業員規模に関わらずテレワークからオフィス勤務への移行が進んでいることを示しており、オフィスへの考え方の変化を反映しています。

オフィス回帰に伴い、現場で働く社員からは様々な不満や要望が上がっています。

株式会社ワークは「コロナ渦のオフィス環境」に関する調査として全国の20～59歳の労働者200名を対象にオフィスの利用状況や満足度調査を行いました。その調査の中で「オフィス環境に対し不満に感じている点」についてのアンケートでは、「フロアが狭い」が39.4％と最も高い割合を占めています。これに続くのは「休憩スペースがない・狭い」と「レイアウト・導線が悪い」で、それぞれ32.4％と29.6％です。

特にオープンスペースの導入が進む中でのプライバシーの欠如や、集中して作業をする環境が整っていないことが挙げられます。(図3参照)


図3：オフィス環境への不満
(引用元：株式会社ワーク「コロナ渦のオフィス環境」に関する調査より)

また、「オフィスの設備環境に求めていること」に関してのアンケートでは「業務に集中できる環境が用意されている」や「狭さを感じない(ゆとりを感じる)」といった回答が多く、それぞれ47.5%と33.0%です。(図4参照)



図4：オフィスの設備環境に求めていること
(引用元：株式会社ワーク「コロナ渦のオフィス環境」に関する調査より)

これらのデータは、社員がオフィス環境に何を求め、どのような改善が必要かを表しております。企業側は、オフィス空間を再考し、社員の生産性と満足度を向上させるために、これらの不満に対応する必要があります。

オフィス回帰してきた社員が不満をかかえながら仕事をしないためにはどのような対策が効果的でしょうか？社員が快適に働ける環境を整え、その結果として生産性や満足度を高めるにはどのような取り組みが必要でしょうか？
上記の課題に対し、オフィス空間は具体的なオフィス環境改善策と新しい働き方のご提案をさせていただきます。

オフィス空間ができる新しい働き方提案①　オフィスにリラックスできる空間を

オフィス空間では、オフィスに快適でリラックスできる空間を作ることをご提案します。

具体的には、カフェ風のリフレッシュスペースの導入や、オフィスの緑化と色彩効果を活用した内装作りなどです。植物を配した空間は空気を浄化し、ウェルビーイングの効果も期待できます。また、心地よい色の選定により、活動的なエリアとリラクゼーションエリアを明確に分け、創造性と生産性が向上する環境を作り出しています。

これにより、オフィスは単なる作業場所ではなく、多機能で快適な空間へと進化しています。

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オフィス空間ができる新しい働き方提案②　ICTインフラ構築をサポート

ICTインフラ構築を見直すことで、オフィスを最新の技術でより良い環境に変えていきます。

現代のオフィスでは、業務の効率化を図るためにWi-Fi環境の強化が不可欠です。またクラウドフォンの導入により、場所を選ばずにオフィスに居る時と同様の電話応対ができる環境を構築し、フレキシブルな働き方を支えています。さらに、セキュリティ機能の強化も行い、オフィスの安全を保ちながら、効率的かつ安心して働ける環境を提供しています。

これにより、テレワークと社内業務のハイブリッドワークがスムーズに行えるようサポートします。

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オフィス空間ができる新しい働き方提案③　快適なオフィス家具提案で業務環境を改善

快適なオフィス家具の提案では、機能性とデザイン性を兼ね備えた製品をご提案します。

エルゴノミクス（人間工学）に基づいたチェアやデスクは、長時間の作業でも体への負担を軽減し、効率的な作業環境を支えます。可動式のデスクや調節可能な椅子を用いることで、各個人の体型や好みに合わせた最適な作業環境を提供し、社員の健康とウェルビーイングを考慮したオフィス作りを目指し、柔軟なオフィスレイアウトを実現します。

これらの取り組みは、作業効率の向上だけでなく、オフィスの美観を向上させることも意図しています。

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オフィス空間ができる新しい働き方提案④　Web会議ブースで慢性的な会議室不足を解消

Web会議の普及に伴い、オフィス内でのプライバシー問題や会議室不足が顕著になっています。

Web会議ブースの導入は、オフィス内の慢性的な会議室不足を解消し、プライバシーを保ちながら快適な打ち合わせ環境を提供します。Web会議ブースは音響設計が施されており、外部の騒音を遮断し、内部の音漏れも防ぐことで、周囲を気にすることなくWeb会議が可能です。モダンなデザインがオフィスの雰囲気を向上させ、小規模ながらも機能的な会議空間を提供することで、作業の効率化と集中力の向上を図ります。

オフィス空間は、東京と大阪のオフィスにご見学・体験可能なブースを複数設置しています。

個別に各メーカーのショールームへ訪問することなく、弊社オフィス見学にお越しいただければ、実際の使用感や運用面でのアドバイスを受けた上で、効果的な比較検討が行えます。

オフィス見学ツアーの詳細はこちら

オフィス空間ができる新しい働き方提案⑤　業務集中スペース確保で生産性向上

集中ブースとは、社員が集中して仕事をするための個室空間です。主に情報のインプットや資料作成などの集中が必要な作業に最適で、視覚や音響の遮断が施されています。

フリーアドレスオフィスやABW型のオフィスでは特に有効で、外部の騒音や視線から保護された環境で集中力を保つことができます。

集中ブースは、大掛かりなレイアウト変更を必要とせず、簡単に設置可能で、生産性の向上に直結します。

レイアウト・ゾーニングの詳細はこちら

オフィス空間では、東京、名古屋、大阪の各オフィスにて実際に働く環境を体験できるオフィス見学ツアーを提供開催しています。

このツアーでは、実際に社員が働くオフィスをご覧いただき、様々なメーカーの家具やオフィスづくりのポイントを見て・触れて・体感することでその使い勝手や雰囲気を直接感じることができます。

また、過去の施工事例を含む豊富な資料をご用意しておりますので、ご自身のオフィス作りの参考になるヒントを見つけることが可能です。

オフィス見学ツアーの詳細はこちら

オフィス空間で導入支援させていただいた新しい働き方の導入事例を以下で紹介します。

フリーアドレス導入事例

日本情報クリエイト株式会社様のオフィス移転に伴い、社員の働きやすさと新たな人材の魅力を高めるため、リアルネットプロ様との連携を強化し、オフィスの内装デザインを全面的に見直しました。

新オフィスではフリーアドレス制を導入し、社員が自由に席を選んで働けるオープンスペースを中心に設計しました。このエリアはコミュニケーションの活性化を図り、社員同士のつながりを強化するための工夫が施されています。

また、リフレッシュエリアを設けることで、社員がリラックスしながら交流やアイデアの交換を行えるようにしました。さらに、オンライン商談や集中して作業に没頭できるパーソナルブースも用意し、社員の多様な働き方に対応する環境を整えました。

日本情報クリエイト株式会社様の施工事例を詳しく見る

ICTインフラの導入事例

旭化成住宅建設株式会社 神奈川事業部 横浜事業所様では、HEBEL HAUSブランドの施工を手掛ける新築工事部門とリフォーム工事部門の統合を契機に、築10年以上の2階建てオフィスエリアの全面リニューアル工事を実施しました。

新たなオフィス環境の構築にあたり、ICTインフラの整備に重点を置きました。テレワーク化や自由な働き方への対応を図り、デスクトップPCからシンクライアントシステムへの移行を進め、必要な機能をサーバー側で一元管理する体制を整えました。

また、無線Wi-Fi環境を構築し、ノートPCの導入により現場への直行・直帰が可能なフレキシブルな働き方を実現しました。

旭化成住宅建設株式会社 神奈川事業部 横浜事業所様の施工事例を詳しく見る

集中スペースを導入した事例

株式会社千代田コンサルタント様では、新型コロナウイルスの影響でWeb会議の需要が増加する中、使用されていなかった地下1階の部屋を改修し、集中スペースとして利用できるようにしました。

Web会議や集中ブース用に半個室の家具を取り入れ、静かな環境で集中して作業ができるスペースを設けました。フリースペースには、簡易的なミーティングに対応するため、キャスター付きの移動可能な家具を採用し、必要に応じてレイアウトを変更できる柔軟性を持たせました。

集中して作業に取り組める快適なオフィス環境を提供することができました。

株式会社千代田コンサルタント様の施工事例を詳しく見る

オフィス回帰が進む中、多くの企業では社員の働きやすさと生産性向上を目指した新しいオフィス環境の整備が求められています。

本記事では、社員が抱える不満とオフィスに求める要望を分析し、具体的な改善策を提案しました。特にリラックスできる空間の提供、ICTインフラの整備、快適なオフィス家具の導入、Web会議ブースの設置、業務集中スペースの確保といった取り組みが重要です。これらの施策は、社員のモチベーションを高め、効率的な働き方を支援します。

オフィスの物理的な改善だけでなく、社員の心理的な満足度も向上させることが重要です。本記事を通じて、企業がより良いオフィス環境を実現し、社員の働きやすさと生産性を向上させるためのアイデアを提供できれば幸いです。