社内調整は、オフィスの移転計画を実施する上での重要案件です。移転となればどうしても、一時的に営業活動や業務を停止する必要が出てきます。企業活動の一時停止を最小限に抑え、スムーズに新旧オフィスを引き継げるように、社員と協力して進める事が重要です。
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移転スケジュールと業務のバランス調整
移転実施日は確実に業務が止まります。さらに移転後、IPネットワークや社内LAN、電話回線等が正常に動くまでに、多少の調整時間がかかります。移転を機にサーバーをデータセンター管理にする、クラウドコンピューティングを導入する等の刷新があれば、さらに調整に時間を取る場合もあります。これらを考慮して業務を調整しましょう。
[移動時期の決定]
重大なプロジェクトの立ち上げ期や納期を避けて、移動日を設定しましょう。締日等も、新オフィスでのトラブルが業務に重大な影響を与えないよう回避します。
[移動実施日の決定]
営業日に業務が滞りなくできるように、会社が営業していない日に移転実施日を設定するなどの調整が必要になります。
移転のための説明会実施、社員向けの移転マニュアルを用意し事前に配布
社内調整をする場合は、説明会を実施して、移転についてのコンセンサスを形成しておくことが重要です。その際は、以下の点を明確にしたマニュアルを準備しましょう。
〇移転の目的
なぜオフィスを移転するかについて、共通認識を持つことが重要です。業務効率向上のためのレイアウト刷新や、データ管理システムの変更がある場合など、社員がきちんと理解していないと、不要なトラブルが起こりがちです。
〇旧オフィスでの荷造り
営業や業務活動が多忙だと、どうしても荷造りなどの余分な業務まで手が回りません。早めに梱包材料を確保し、業務の合間に過去資料などは片付けるよう、各所に担当者を決めましょう。
また、移転時に自分の荷物や書類が紛失してしまったり、どこに保管されたのか分からなくなったりするケースがあります。必ず移転マニュアルを作成し、早めの準備を心掛けましょう。
〇新オフィスのゾーニング・レイアウト
新オフィス移転前後、総務担当者が対応する案件は膨大になります。社内からの問い合わせを最小に抑えるためにも、ゾーニング・レイアウトはあらかじめ社員へ通達しておきましょう。
〇クライアント・取引先への対応
移転に際して、クライアントからの発注書や取引先からの請求書が届かないといったトラブルにならないように、先方の締日に合わせて移転告知を行う必要があります。
〇トラブルシューティングの案内
人数の多い企業の場合、移転前後のトラブルシューティングとして、各所に窓口となる担当者を決め、トラブル情報を一元管理できる仕組みを作っておきましょう。
社外への告知に関するポイント
オフィスの移転は全社的活動なので、会社として一括に告知するケースが多くなります。営業担当や業務担当が個々に行う場合も、告知ツールやテンプレートなど、共通するものを用意して、統一された情報が発信されるように留意します。
〇関係官庁への届け出
オフィス・事業所の移転に伴い、公的機関への届け出等の業務があります。
〇法務局
本店(支店)登記 |移転前の管轄法務局 |移転後2週間以内
〇税務署
異動届、本店移転登記申請 |移転前と移転後の管轄税務署 |移転後遅延なく
〇都道府県税事務所
事業開始等申告書 |移転前の管轄都道府県税事務所 |事業開始日から10日以内
〇社会保険事務所
事業所所在地変更届 |移転前の管轄社保事務所 |移転前可・移転後5日以内
〇労働基準監督署
労保名称所在地変更届 |移転後の管轄労働基準監督署 |移転後10日以内
〇公共職業安定所
事業主事業所各種変更届 |移転後の管轄公共職業安定所 |移転後10日以内
〇郵便局
郵便物届出変更届 |移転前の受持郵便局|移転決定次第すみやかに
〇警察署
車庫証明(ある場合) |移転後の管轄警察署 |随時
〇消防署
防火管理者選任届 |移転後の管轄消防署 |移転後遅延なく
まとめ
▲ 移転は大変な作業ですがその分得られるものも多いです |
以上のようなポイントをひとつひとつ処理し、オフィス移転に伴うトラブルをぐようにしましょう。移転に伴って負担がかかり、不平をもらす社員も出てくるかもしれませんが、オフィス移転は社員一同気持ちを切り替えられるタイミングでもあり、前向きに取り組まなければいけません。各社員が何をしなければならないのか明確にしておけば、大きな混乱もなくスムーズに進めることも可能です。 |